トビウオ漁に行っている頃、大漁すると嬉しいのですが、大漁が続くと、「このまま獲り続けたら絶滅するのではないか?」と不安に思うことがありました。
そんな時、トビウオの研究者の方が、調査の為に漁船に乗ってきました。
そこで詳しく話を聞くと、トビウオの生息域は、奄美や台湾も含む広範囲である事がわかっており、その全体の資源量の中で、漁獲されているトビウオはごく一部と考えられるため、屋久島の近くでトビウオを獲ったぐらいで悪影響を及ぼすとは考えにくいと聞きました。
そして、この緻密で不思議な、生態系のバランスを崩さないことが大事であり、トビウオの産卵場、幼魚の育つ藻、トビウオが食べる動物性プランクトン、そしてトビウオを食べるシイラやダツも、そのバランスを保つサイクルの中にあり、こういった事を研究し、解明し、未来の為に伝える使命が今を生きる私たちにあると教えてくれました。
トビウオの資源量は多いと聞いてほっとしたと同時に、海のこと、魚のこと、漁業のこと、環境のことをもっと勉強しないといけないと思いました。
トビウオは、昔から、そして今も、島人に海の恵みとして寄与されてきました。
これからの未来の島人にも恵みを与えてくれる島の宝です。
そのことを忘れず、これからも獲ってきた魚を大切な資源として、持続可能な行いが続くよう、大事に使わせて頂こうと思います。
Variety 〜トビウオの種類〜
トビウオには種類があって、なんと世界では50種類もいるそうです。
屋久島のトビウオ漁では年間を通して、そのうち10種類ぐらいが入ります。
種類ごとの違いの特徴は、「大きさ」と「羽の色」です。
大トビはトビウオ類最大級で、なんと50cm以上にもなります。
冬から春にかけて獲れます。
春からは、中トビや、羽の模様がヒョウ柄のセミトビも入りはじめ、青トビや赤トビは、初夏ごろ屋久島近海にやって来ます。
それらのトビウオを、大トビでは、スライスした燻製商品を作ったり、中トビや青トビは、低温で燻す、半身の骨なしタイプや、姿形の燻製も作ります。
セミは、小骨ごと食べられるように熱燻仕上げを行います。
季節によって変化するトビウオを、けい水産も、煙の温度と、魚の切り方を変化させ、バラエティー豊かに燻しています。(^^♪